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作り出された信念・価値観

書店に行くと、稼げるとか、金持ちになれるというような「成功」に関する書籍が並んでいます。個人的にはうんざりしますが、需要はあるのでしょう。

それについて社会学からの分析があったので紹介します。

上記のような「成功の物語」(努力と上昇を主要素)の発端は、スマイルズの『自助論』にあるとします。「人生の幸福は勤勉と自修とによってもたらされる」という信念が広く伝播しました。

日本でも野口英世をはじめとした偉人伝によって、その信念・価値観が広がります。

「成功の物語(努力と上昇)」が誕生すると、それに付随して必然的に「幸福の物語(努力なしと上昇)」「挫折の物語(努力と下降)」「堕落の物語(努力なしと下降)」が誕生します。

しかし、「成功の物語」は多くの人々を成功へと駆り立てますが、実際に成功を勝ち得る人は一部の人たちでした。「成功の物語」は、近代社会の理想の物語であって、現実の物語ではないのです。現実の物語の多くは「挫折の物語」が多いと思われます。

そこから誕生したのが「成功は必ずしも幸福にあらず」をテーマとする「幸福の物語」です。「成功の物語」に対する対抗文化としての「幸福の物語」です。

昭和になり、

「成功の物語」は、「受験戦争」「モーレツ社員」「キャリア・ウーマン」

「幸福の物語」は「マイホーム主義」「ニューファミリー」「脱サラ」

「挫折」や「堕落」の物語としては「自殺」「蒸発」

という言葉で語られるようになった。その後、変遷はあるものの「成功」と「幸福」が人生のテーマとなり続けてきました。

「成功」→「自己啓発」(今の自分を変える)

「幸福」→「セラピー」(いまのままのあなたでいい)

両者に共通なのは、社会への働きかけ、社会を変えようという発想が希薄ということです。今の社会に適応することを前提にしています。

今後は、各自が課題と感じる社会を変えていくことが必要です。そのために他の人たちと話をし、ネットワークを築き、変革する事が重要です。

その際のポイントは、自分だけが良ければいい、人から搾取することを目的とする「成功の物語」ではなく、「幸福の物語」をベースにした変革が求められると思います。

(参考文献『ライフストーリー分析』)

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