乳児期(基本的信頼か不信感か)
生まれて1歳までの乳児は、養育者の顔や声に敏感に感応し、笑ったり泣いたりを繰り返すことにより、感情表出を行い、養育者の関心を自分に引き寄せる。
イギリスの児童精神科医のボールビイは、この養育者との特別な情緒的結びつきを「愛着」と呼び、この時期にこの感覚を獲得すると生涯にわたって続くものと考えている。
つまり、「人生のなかで何か困ったことがあれば、あの人がきっと助けに来てくれる」という基本的信頼感がこの時期に形成されれば、この考え方がパーソナリティのなかに定着するのである。
しかしながら、この時期に養育者が乳児の世話を拒否的になったり、不十分な対応をとったりすると、やがて対人関係に不信感をもつようになり、破壊性、自閉傾向や悲観主義で定着するのである。
(『産業カウンセリング入門(改訂版) 』より)
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