産業カウンセラー倫理綱領(前文)
産業カウンセラー倫理綱領が改訂され、平成18年5月27日より施行されています。そこで、数回にわたり、新・倫理綱領を掲載します。
前文
社団法人日本産業カウンセラー協会は産業カウンセラーによって組織された職能団体である。産業カウンセラーは心の専門的技能者であるだけでなく、関連する広い学問、科学を重んじ、産業界の動向に通じた複合的能力をもって、あらゆる場面で活躍している。
産業カウンセラーが自ら倫理綱領を定め、それを遵守することの意味は、倫理綱領が専門家としての倫理的責任を全うするための指針であるだけでなく、カウンセリング・サービスを受ける人びとの利益を守り、企業社会の公正で健全な発展に寄与することにある。
産業カウンセラーは、人間の多様性を承認しつつ、その尊厳、価値、可能性を擁護して人間の生涯発達を促進する視点で活動する。そのために、人としての自律を尊重し、忠誠と公正を重んじて働く人びとの福祉の増進をめざす。この綱領は、このことを具体化し、企業社会の倫理性を高める視点をも考慮して作られた。それゆえに、本綱領がめざすところは、規範による外的強制によって守られるだけではなく、専門家としての自覚とともに、社会における共通倫理(コモンモラル)の推進という高い倫理意識と内心からの自発的献身とが相まって達成される。またそれは、産業カウンセラーが自己の責任を果たすだけではなく、相互の研鑽によって高められてゆくものと認識する。
産業カウンセラーが、心の問題にかかわる専門家としての倫理を自覚し、優れた能力と識見とを基礎に向上心と高い自律性をもった生き方を自己に課すことにより、社会の尊敬と信頼を得られるものと確信する。
産業カウンセラーがこの綱領に則って誠実に行動することを誓い、ここに綱領を確定する。
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