労働協約と就業規則
労働組合と使用者が団体交渉した結果、労働条件その他について合意に達した結果を書面にし、両当事者が署名または記名捺印したものを「労働協約」といいます。つまり、従業員によってその会社に労働組合が作られている場合においてのみ、成立します。
一方、「就業規則」は使用者が一方的に決めることができ、労働組合、または、労働組合が無い場合は労働者の過半数を代表する者の意見を聞くだけで足り、同意を必要としません。労働協約の効力は、労働基準法などの法律に次ぐもので就業規則より強いものですが、労働組合のない会社では就業規則が法律に次ぐ効力を持っていることになります。
就業規則は、正社員、パートタイマーといった働き方が違う社員を含め、その会社の労働者全員に適用されるため、勤務形態ごとに就業規則を作っている会社もあります(私の会社はそうなってます)。これに対し、労働協約の適用を受けるのは、合意した当事者の一方である労働組合の組合員であり、管理監督者、機密事務取扱者(社長秘書など)、パートタイマーや試用期間中の社員などの非組合員は適用されません。
ところで、労働基準法の法文には、ときどき「労働協約」が出てきますが、労働基準法の中では「労働協約」は定義されていません。「労働協約」は、労働組合法第14条に規定されています。
(SYN)
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